臨床検査技師とは
医師の指示のもと、病気の診断や治療の効果を知るために、様々な検査を行う仕事です。
検査には大きく2分野あり、1つは患者さんの体から血液、尿、組織片などを取り出して調べる「検体検査」があります。
もう1つは患者さんに直接、心電図や脳波、超音波などの測定器を使用して調べる「生体検査」です。
高度化、多様化した現代医療において臨床検査技師の取り扱う検査や項目はますます広がり、専門特化した人材も強く求められています。
主な臨床検査業務
主な臨床検査業務には2つの分野、8つの部門があります。
検体検査(血液、尿、便、骨髄液、喀痰など)
- 生化学検査
- 生体内の様子を分子レベルで検査します。例えば、糖質(グルコース)・脂質(中性脂肪やコレステロール)・蛋白質や尿素・尿酸、電解質(Na、K、Clなど)、酵素(エンザイム)などを分析します。特に、緊急検査では心筋梗塞や昏睡状態の患者さんの状態をいち早く把握し、その後の治療に役立ちます。また、健康診断などでは、病気の予防にも不可欠な検査です。
- 一般検査
- 尿検査をおこない、病気の早期発見に一番近い情報が得られます。尿中の糖やタンパク質、さらに目に見えない固形の成分を顕微鏡で検査します。糖尿病や腎疾患の診断に役立ちます。さらに、寄生虫の検査もおこなっています。
- 病理検査
- 癌(ガン)の早期発見や治療に役立ち、細胞を顕微鏡で検査します。そのためには、人体解剖の介助や標本作成も検査技師がおこないます。さらに、スキルアップしたい人は、臨床検査技師国家試験取得後に細胞検査士(サイトスクリーナー)の資格を目指すことになります。
- 血液検査
- 赤血球・白血球・血小板などの検査、さらに血液の凝固(固まるしくみ)や線溶(溶けるしくみ)の検査をおこないます。貧血や白血病などの検査に重要です。
- 微生物検査
- O-157や食中毒などの細菌を検査し、薬剤との関係を調べます。また、結核やインフルエンザなどの感染症の検査もおこないます。
- 免疫検査
- 血液型や輸血・移植検査、感染症の検査をおこないます。また、エイズ、性行為感染症(STD)、リウマチ、膠原病などの検査もおこなっています。
- 遺伝子検査
- 採取した検体から遺伝情報が含まれたDNAを解析する検査です。さまざまな遺伝子疾患の診断や新型コロナウイルスや肝炎ウイルスといった感染症を引き起こすウイルスの検出に役立ちます。今後も臨床検査技師の専門性が期待される分野です。
生体検査
- 生理機能検査
- 患者さんと直接接する仕事です。心電図・脳波・筋電図・呼吸機能・超音波(エコー)・磁気共鳴画像(MRI)を含め、22項目の検査を実施することができます。近年の法改正により、関わる分野がより広がり、臨床検査技師の必要性と貢献できる領域は増え、コミュニケーションの重要性も増しています。
臨床検査技師になるためには?
高等学校を卒業し、最低3年間の在籍と規定の単位を修得しなければなりません。そして、卒業することにより臨床検査技師の国家試験受験資格が得られます。その後、厚生労働省の実施する国家試験に合格し、申請・登録することにより臨床検査技師になることが出来ます。
臨床検査技師 活躍の場
臨床検査技師の活躍の場は病院・診療所・保健所をはじめ、製薬会社や研究所、臨床検査センター、医療機器メーカーなど、さまざまな施設があります。
本校には毎年、定員を大きく上回る求人が寄せられ、医療各施設より熱い期待が寄せられています。
- 国立病院
- 大学病院
- 大中小規模病院
- 各種クリニック
- 検査センター
- 検針センター
- 医療機器メーカー
- 製薬会社研究所
- 治験会社
- 保健所